2013/01/02

今日

circuit #01 / 2012 / silver ink on paper / photo : Keizo Kioku  © Hiraku Suzuki


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一人で紙に絵を描いていて思ったことなんだけど。最初から最後までルールが決まっていたらそれはただのゲーム。乗るか降りるか、勝ってハッピー負けてガッカリとか。どちらにしろ、前提のある直線的な動きは長く続かないんだよなあ。

時々ゲームをやるのは、たのしい。ルールがなかったら、しらける。でも僕がまっさらな紙の上でやっているのは、作りながら、動きながら、自ずと発生してくるルールの方をよく見ていくということなんだと思う。目の前のことを一つひとつ、点を打つように、楽譜を書くようにやっていく。そうすると点描画の点と点の間にうっすら線が見えてくるように、あるルールみたいなものが自然現象のように生まれてくる。
それは、変化もする。ある時は将棋をやっているつもりが実は格闘技だったり、短距離走のつもりがヒッチハイク世界横断の旅になっていたりする。大切なのは、その瞬間に存在しているルールのギリギリ周縁をナゾって動くことだ。 持続音(ドローン)で知られる音楽家のラ・モンテ・ヤングが「一本の線をひいて、それをナゾれ」と言っていたが、そうしていれば自然と時間の層がグルーヴしてリズムが発生し、ルールのカタチが変化していくのがわかる。カットアップが起こって突然三角形のようにシンプルになったり、フラクタル図形のように複雑になったりもする。それでも立体的に見れば、根本的な中心軸は変わらないし、終わらない。むしろそういう根本的なところ、細分化して高度化したゲームの前にあるところ、に向かっていくための、強靭な線になっていく。

そうやって点を打って進んでいくうちに、瞬間に反応するだけではなくて、ずっと続いている長い時間に対応した動きというか、なんつうか巨大なアンモナイトの上でスケートをするようなこと、実感のある祈りのようなこと、に変わって行ったらいいと思う。

tower of meaning / 2012 / spray paint on found objects / photo : Keizo Kioku  © Hiraku Suzuki


road sign-spiral / 2008 / pieces of asphalt / photo : Ooki Jingu  © Hiraku Suzuki

2013/01/01

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2013年1月1日
Wedding, Berlin