casting #133 2014 / spray paint on printed paper © Hiraku Suzuki |
描くこととは何だろう?
この僕の考えは、いつも変化の過程にある。
考えてから描くのではない。描いてから考えるのではない。
描くことそのものが、考えることである。
描くことは、日常の中に非日常を作ることではない。
非日常の中に日常を作ることである。
描くことは、ちゃんと恐れながら闇の中に入ること。ギリギリのところまで行って闇の輪郭を知ること。そこで光を放ち、輪郭を祝福すること。そして、ちゃんと戻ってくること。
この行為は、象る(かたどる)とも言う。
描くことは、誰かに新たな視点を提供するようなことではない。まず自分が新しい目そのものになること。
描くことは、「思いつく」ということより、「思い出す」とか「忘れる」ということに近い。
描くことは、風を感じるだけではなく、風に乗ること。石の上に立つだけでなく、石を削ること。泣きながら笑うようなこと。座りながら踊るようなこと。
描くことは、無音の内側に音楽を呼び戻すこと。
描くことは、信じない中で、信じること。
描くことは、いいことでも悪いことでもない。しかし、切実である。
描くことは、針穴から宇宙を覗くことではない。宇宙を針穴に通すことである。
Hiraku Suzuki live drawing performance in Vancouver Biennale 2014 at Coal Harbour Community Centre (Vancouver, Canada) / photo : Back Seung Woo © Hiraku Suzuki |
道路 (網膜) - Road (Retina) 2013
/ reflector on wooden panel installing process at Kirishima Open Air Museum (Kagoshima, Japan) © Hiraku Suzuki |
Circuit #4 2014 / silver ink on paper © Hiraku Suzuki |
Circuit #5 2014 / silver ink on paper © Hiraku Suzuki |